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ガンダムSEEDにまつわる、ある「思い出」(トラックバックを頂いたので、返答です。)

<01/17一部追記しました>


2008/01/14にエントリした「事前情報だけで、そのアニメがどれ位ヒットするかを予想できるか、という命題を頂きまして・・・」にトラックバックを頂きました。ありがとうございます。


さて、「ゲームセンターに明日はあるの?」さんから頂いたトラックバックは以下になります。


ゲームセンターに明日はあるの?:まあ、こういう誤解からモノが見えなくなるのでな。 - livedoor Blog(ブログ)
http://blog.livedoor.jp/hayashida2007/archives/539911.html

「SEEDの大ヒット」の内訳は、「ガンプラが小学生男児向けに売れまくった」ということの方が、影響は大きい。敵方の雑魚キャラですら他の「(いわゆる)平成ガンダム」の主人公機並みに売れたのである。



私のエントリで記載した、以下の内容に対する指摘です。

過去の「ガンダムSEED」も「予想外」の女性人気で大ヒットしたし



正直あまり気にして書いた部分ではないので「女性人気によって大ヒット」したという、ガンダムSEEDヒット要因として世の中的によく言われる「定型文」ぐらいにしか考えていませんでした。


本当にすいません。


さてガンダムSEEDですが、子供(10代前半)にガンプラが非常に売れた事は、当時非常に話題となりました。放映と同時に発売された「ストライクガンダム」は、「低価格」「放送と同時」「番組内に販促コーナー」というジェットストリームアタックにより100万個という過去最大のヒットとなりました。
それまでのガンダムは「20代後半の」「オタク向けな」「過去の」キャラクターと化していました。しかし「SEED」=「種」というメッセージに込められた「次世代に向けて種子をまく」という狙いどおり、「10代前半の男子」とファーストガンダム世代に当たる「その父親」という2世代マーケティングが見事に成功したと言えます。ガンプラ100万個(訂正しました、訂正前は140万と記載)はそれまでガンダムに接していない「子供」と、ガンダムから遠ざかっていた「父親」の両方を捉えた結果成し遂げた偉業だと思います。


そしてここまでは「想定内」の事だったと思います。つまりガンダムの新作アニメによる2世代マーケティングは、あの当時も規模の大小は兎も角として、「想定内」の影響だったと思います。


私個人の体験です(もう時効だから良いでしょ?)。
ある所で「最近不思議な問い合わせが多くある」というものがありました。
曰く「あすらん(この人はアスランを知らない)はどれ位でているのですか?」というものでした。普通どれだけガンダムが出ているかを売りにする「モノ」ですが、最近の問い合わせはアスランばかりとの事でした。
関係筋からも「どうも客層は女性が多いみたい」との事だったので、確認してみると相当数(半分以上)女性が占めている事が分かりました。


個人的には「そりゃ、平井キャラみれば分かるだろ!?昔のWとか知らないの?」というものでしたが、少なくても一般的な人の反応としては「男の子向け」のガンダムを女性が見ている、という事実は相当意外だったみたいです。まだ腐女子なんて言葉が一般的でなかった2002年末の事です。


当時「ガンダムSEED」はガンダムエース創刊をスタートとする、かなり大がかりなガンダム復活プロジェクトの一つのピークとの認識でした。つまり「ヒット」するかどうかではなく、「如何に勝ち幅を大きくするか」というタイミングだったと思います。放映当日にストライクガンダム玩具店(アキバデパート内)に、うず高く積まれていたのを見て感激した事を覚えています。
放送当日にちゃんと商品がある、という当たり前がちゃんと実行されていたからです。
「言う」は簡単ですが、本当はすごく大変な事です。


しかしそのように力を入れているガンプラとは別の所に、もう一つの大きなマーケットが有ることも先ほどの問い合わせから感じました。女性層の取込みが出来ていて、かつその事実はまだそれほど「既知」ではないと。まあ結局感じただけですが・・・(笑)


と、まあ、ここまでが個人的な体験談ですが、こういう「ミクロ視点」というか「自己の深掘り」みたいな事が案外重要なんだと思います。でも「マクロ視点」というか「俯瞰」も必要なので、この手のお約束の市場規模でも記載しておこうかと思います。


2003年時点でガンダム市場は推定で1000億円マーケットと言われていました(日経に出ていた)。その内半分500億円がガンダムSEED関連(これは噂)と推定されます。そしてSEEDのDVD販売はおよそ100億円位(単価×本数)と推定されます。一方2003年のバンダイでのガンダム関連の売上は300億円弱(バンダイ発表)でガンプラはその3割位で100億円(この辺は適当、でも130億以上ないはず。2003年バンダイ模型部門売上が130億円)と推定します。金額的にはDVDもガンプラも同じくらいだと思いますが、DVD購入者は5〜7割が女性と言われています(噂:01/17追記・・・アニメビジネスフォーラム2005での竹田氏のコメントより)。この辺は売り場を当時見ていれば実感できたと思います。


つまり「想定通り」の100億円市場とは別に「予想外」の100億円市場もできた、というのが当時の実感でした(当時金額規模までは知らなかったですが)


で、本題に戻りますが、このようなものが「過去の成功体験」からは予想できない実例だと考えて、

過去の「ガンダムSEED」も「予想外」の女性人気で大ヒットしたし

という発言となっています。


なお、市場規模なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ、とだけ付記しておきます。
ビジネス上のハッタリツールですから(笑)
でも、こんな情報や体験を織り交ぜて日々の生活は回っているので、「思いこみも仮説のうち」という形で勘弁して下さい。
違ったら補正するだけです