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今年を振り返って

今年も残すところ、あと2時間となりました。年越しをどこで迎えるかは人それぞれですが秋葉原で迎える人も今年は多い事でしょう。3年くらい前は秋葉原の大晦日石丸電気などの元旦販売徹夜列くらいしか人はいなかったのですが、今年はメイドカフェで年越しする人も多いのではないでしょうか?
と思い各店の営業状況を調べてみると、意外と深夜営業しているところは少ないみたいです。JAMアキハバラぐらいかな?やはり喫茶店では深夜営業はできないですよね。

今年話題になった「メイドカフェ風俗営業問題」を考えると年越しメイドカフェは難しいみたいですね。

と、言う訳で、残り2時間で今年2005年をざっと振り返ってみましょう。ちなみに今このBlog更新のBGMは文化放送アニスパ」です・・・。

今年は「萌え〜」が流行語大賞に選ばれた様に一連の「オタク文化」が社会的認知をされた年だったと言えます。もっとも「変わったもの見たさ」によるものなので、決して流行の最先端になったと言うわけではないと思います。この流行語大賞を受賞したのは@home maidの「完全メイド宣言」さんでしたが、メイドさんがユニットを組んで歌う姿は、昔の女子大生ブームを受けて結成された「おニャン子」を思い出す私はオヤジでしょうか?ちなみに「おニャン子」は1986年の流行語部門大衆賞です。

2005年はJR西日本福知山線脱線事故耐震強度偽装マンション、またエイベックスののまネコ問題など「企業の利益追求を顧客志向より優先する」社会システムが露呈した年だったと言えます。「ひぐらしのなく頃に解目明し編」発売日混乱やガンガンWing他でコミック化したりアニメ・コンシューマゲーム化したりと同人の経済的影響力が目立った年でした。同人が作り上げた「同人市場」の経済力は商業コンテンツ産業にとって無視できない力を持ったのです。その為同人サークルAQUA STYLEに対する警告などの「同人コンテンツ締め付け」の動きが始まっています。音楽同人の後ろのJASRACマークとかも目立ちましたね。その一方で企業ブースでの限定グッズ販売など「同人的商売」にも積極的です。「企業の利益追求を顧客志向より優先する」システムは同人は黙認というこれまでの暗黙の了解を崩す可能性をもっています。商業と同人の関係性を再構築する事が必要になった1年でした。

ライブドアとフジテレビ・楽天とTBSなど放送と通信の対立構造が明らかになった1年でもありました。これはブロードバンドの普及によりTV番組のネット配信が現実的になってきた事が原因です。またipodを使ったポットキャスティングは音声コンテンツのビジネスモデルを変える可能性を秘めています。「電波男」で有名な本田透さんがアニメ会さんと協力して配信している「にじいき」はこのポットキャスティングを利用しています。またネットを中心に盛り上がった「ハピマテ運動」や音泉などネットラジオがアニメのスポンサーとして目立つようになったりと、ネットと音楽コンテンツの連動も今年の特徴ではないかと思います。放送と通信の融合を目指したホリえもんですが、その一つの形はアニメとネットのビジネスモデルの中にあったのではないでしょうか?

つくばエキスプレス開通・ヨドバシアキバ館オープンに伴い、秋葉原に大きく2つの変化がありました。その一つが駅前での路上バンドが活発になった事です。これ目当てで今まで原宿などにいた路上ライブの追っかけ系の人たちもアキバに来るようになりました。今年はアニメゲームの音楽に関する話題が多い年です。「I've in BUDOKAN 2005」はエロゲーマニアのオタク男性だけで音楽の聖地日本武道館を一杯にする事ができる事を証明しました。また「Animelo Summer Live 2005」は9000人を集客しました。「ハピマテ運動」などもあり、ネギま関連CDは累計で100万枚を突破しました。音楽コンテンツ産業のなかでのオタク向け音楽の比重は大きくなってきたと言えます。しかしこれをオタク音楽の拡大と見るか、音楽パッケージングソフトの縮小による相対的比重拡大と見るかは、もう少し時間が必要です。

アキバ再開発によるもう一つの変化は非オタクのアキバ進出です。まったくの非オタク層(家族連れとか)は観光地感覚でアキバに来ていると思います。日本人がローマに行って「ローマの休日」の場所でソフトクリームを食べたりするのと同じで、オタクなども含めた「街の風景そのもの」を観光しているのです。個人的意見ですが、これはこれで良いと思います。オタクを珍しいという感覚はしかたないですよね。問題はゲーセンにきたり、ド〇キホーテのパチスロにきたりする広い意味でのゲームフリークの人たちです。オタク的趣味を持ちながらオタクである事を否定する「自称非オタク層」のオタクバッシング的行動が目立つ1年だったとも言えます。「オタクの世代間闘争」と合わせて考えると、オタクという括りかたが現実に即していないと言えるのかもしれません。


来年2006年の事を考える上で重要そうなものを中心に総括してみました。あと20分で2005年も終わります。来年はどんな年になるのでしょうか。

みなさんにとっても良い年であるようにお祈りします。