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「十津川警部 アキバ戦争」読了

boukoku_db2008-05-17



9時前に帰宅して、何気なしにテレビをつけると目につくのは2時間ドラマ。一時期(10年位前)は月〜土まで毎日何かしらやっていましたが今は火曜サスペンス劇場を中心に木・日曜以外放映されています。


2時間ドラマとバカにされがちですが、好評シリーズが連ドラに昇格した科捜研の女のような例もあったり、独特の雰囲気(必ず連続殺人、素人が捜査、副題が長い、いつも地方に行く、警察は大抵無能、最初の容疑者は第3の犠牲者、犯人は船越英一郎など)を踏襲しているテレビ朝日の木曜ミステリー枠(京都迷宮案内など)などもあり、ドラマの大きな一角を占めています。


さて、2時間ドラマは各局有りますが、どの局でも取り上げられる人気シリーズが有ります。それが十津川警部シリーズです。日テレなら渡瀬恒彦、テレ朝なら高橋英樹といった具合に、各局が同じシリーズをドラマ化しています。


常に時刻表を使ったトリックと言う分かりやすさ、ハイペースで刊行される原作小説、十津川・亀井コンビと言ういつも同じキャラ。
キャラを確立して好まれるパターンの話を大量に生産する手法はライトノベルと良くにていると言え、大人のファンタジーだと言えます。


また十津川警部シリーズは有名書店のランキングには出てこないのですが、キヨスクやコンビニで大量に販売されており「影のベストセラー」と呼ばれています。この点も専門店で販売されて、気がつけば文庫市場の10%以上を占めるに至ったライトノベルに似ています。


まあ、つまり出版不況とは言いながら、売れているモノは既成概念の外側に一杯有ると言うことです。


さて、オタク向け作品であるライトノベルと年配向け十津川警部は、決して出会わない北極と南極かと思われましたが、遂に交わる時が来ました。十津川警部がアキバにキター、のです。
十津川→鉄道→つくばエクスプレス→アキバ→メイドカフェという驚異な関連性。
出版社もこの機会にオタクの新読者を取り込みたいのか、巻末にシリーズ紹介を載せるなど気合十分。しかも裏表紙には著者の西村京太郎さんがチチブ電気横のおでん缶自販機前での写真や取材でメイドカフェにいきオムライス食べたとか想像だにしなかった内容。


もっとも、情報抜きで写真だけみたら、良く見る鉄オタですな(笑)


しかし出来ればイラストか口絵でもつけてくれれば完璧だったのに。文庫化の際には萌えイラスト十津川とかで是非お願いします。


ところで、肝心の内容ですが、トンデモアキバでした(笑)
日本画家がメイド喫茶に来てメイド(名前は明日香)に出会い、そのメイドをモデルに日本画を描く所から始まり、その後娘と間違えられて誘拐されて事件勃発。その後はネタバレになるので控えますが、悪の電気屋やアキバ三銃士(城萌え三銃士)が登場、警察はアキバ聞き込みの際に「違和感無い様に」抱き枕を持って行うわ、捜査上必要だと言って十津川警部は経費でフィギュア(等身大なので50万円)を買うわ、衛星回線をハッキングして犯人を追跡するわで、やりたい放題。ラストはチョットかっこいい雰囲気を出しているのかもしれませんが、良く分かりません(笑)


これがドラマ化されると、渡瀬恒彦さんか高橋英樹さんがアキバで等身大フィギュアを買うシーンが必要になる事を考えると、今から痛面白い気分で一杯です