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「2007-2008マンガ論争勃発」どうなる、どうするマンガ界?



2008/01/21。本日会社が終わって、新宿ロフトプラスワンに直行。
会場にはすでに列が出来ていました。20名くらいは並んでいたかと。(追記:18時時点では、です。会場前には40人くらいになっていました。)


で、何が目的かというと、これです。


株式会社マイクロマガジン社〜2007-2008 マンガ論争勃発〜
http://www.microgroup.co.jp/mm/book/261273.htm

ロフトプラスワンにて『2007-2008マンガ論争勃発』のイベントを開催します。
「2007-2008マンガ論争勃発」どうなる、どうするマンガ界?

  商業誌・同人誌を取り巻く、マンガ文化の危機とは?
  表現規制著作権問題、海外進出、コンテンツ行政の今を徹底討論!

2007年12月に発売された『2007-2008マンガ論争勃発』(マイクロマガジン社刊)の編著者と登場陣が提起する、新世紀マンガ論争。

「性急に敵味方判定して罵倒し合う前に、やることがあるんじゃないのか?」
「人の話を聞け!」

今、熱い時間が動き始める

●出演予定
市川孝一コミケット共同代表)、三崎尚人(同人誌研究家)、境真良(社会学者)、伊藤剛漫画評論家

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●交渉中
東浩紀(哲学者)、白田秀彰(法学者)、金田淳子社会学者)ほか、『2007-2008マンガ論争勃発』登場陣

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●司会
永山薫漫画評論家)、昼間たかし(ジャーナリスト)

その筋の方には、もの凄い豪華メンバー。


結局、開始前にほぼ満席状態。


第一部は永山氏・昼間氏による『2007-2008マンガ論争勃発』取材時の裏話を軸に「同人バッシング」勢と目されている方々との対話内容を紹介。前田雅英氏・大谷昭宏氏・上野千鶴子氏・中里見博氏との対話を紹介。そもそもこの本のコンセプトとして、同人誌擁護の意見だけでなく、反対意見もちゃんと取り込んだ「建設的な対話」の為されたものにしたいと考えたという永山・昼間両氏の話があり、対話によって、バッシング派と目される人たちにも色々な意見や立ち位置がある事が分かったという内容でした。


第二部は、コミケット共同代表の市川孝一氏と、同人誌生活文化総合研究所三崎尚人氏を交えて、同人誌と表現についての各即売会や関係者の対応や、最近の都産貿問題についてのトーク。市川氏は、表現の「場」としての即売会を守るためにはどのような事が重要かという点でコミケットの考え方や、シンポジウムを開いた結果、印刷会社なども含めた関係者に問題に対する「当事者意識」が生まれた事などを紹介。また三崎氏は都産貿問題に触れ、わいせつ表現の規定について各即売会は理論武装などをしっかりして頑張って欲しいと苦言を呈しました。ここでも対話を続ける事が解決への道で、コミケットは91年のバッシング時代を経て、それを重視してきたという内容。


第三部は、ゲストが入れ替わり、東浩紀氏・伊藤剛氏・金田淳子氏を交えてBLについてのトーク腐女子市場の拡大によってBLはリアルゲイとの乖離が進んだ事(以前のBLはリアルゲイの人も読んでいる事を考慮していた)を紹介。また「ネットから子供を守る」という命題は「子供がポルノを書く」事も想定して対応していく必要があるのでは、という東氏が提言。個人的に一番首肯でした。
後半には竹熊健太郎氏と境真良氏も交えて著作権と同人誌の問題でのトークが繰り広げられました。著作権は「人格権」と「財産権」の両面があり、日本においては「同一性保持権」(人格権の一部ですよね)が強い事が問題という境氏のコメントや、竹熊氏のマンガのコマ引用にJASRACみたいな組織があったら良いと10年程前には感じた(今は引用の範囲では、著者了解は不要との業界基準が共有されているとの事)との話が印象的です。


その後質疑応答や観客として来ていた著名の方もいたのですが、パネラーではないので割愛します。お忍びかもしれませんし・・・。


以上、簡単なまとめですが、本当はこれ以外の多分趣旨とはあまり関係ない「あぶない話」が一杯あったのですが、その辺も割愛します。実際行った人間の特権として(笑)


でも、少しだけ箇条書き
・大谷氏は普段は「たたき上げのブン屋」っぽく「俺」と名乗る。
・新聞社も色々な考え方の人が中にいるから、情報リテラシーを磨いて新聞を読むべき。
冬コミでは初音ミクブームを受けて「長ねぎ」を禁止した(臭いし皮が落ちて滑ると危ないから)
・もしもあれがニンジンだったら米沢氏存命中は禁止(米沢氏はニンジンが嫌いだから、また筆谷氏はピーマンが嫌いとの事)
・最後尾の札を取材したワイアード誌(海外雑誌)は「It's COOL!」と紹介した。
・何らかの対話をする時は、紙に残しましょう。
・生ものBL描きが一番いやがるのは、当局の規制より、当の芸能人にその本が見られる事(見ないよというツッコミ有り)
・BLトーク中に登場したジュネを、トーク中ずっと熟読していた東氏(風邪気味との事。でもビールや白ワイン多量摂取)
・その後壊れてきたのか、あぶない発言(多分本当にあぶないと思う)を連発する東氏。
・終いには「東君も父親になったと言うことか」と諭される東氏
・最後まで色々と発言しようとしたが、時間の関係から封殺される東氏
・ケータイコミックでは「特命係長 只野仁」が人気と紹介した竹熊氏。でも発言はずっと「特命課長」(聞き違いだったらすいません)とちょっと出世していた。社長島耕作か?


次回は4月くらいに行いたいとの事です。また行きたいと思います。
あと今回は3000円くらいオーダーしたのですが、お車代は出たでしょうか?気になる所です。