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ひぐらしのなく頃に 皆殺し編

皆殺し編が終了しました。もの凄いボリュームです。まさに圧巻。

多少ネタバレがあるので改行します。















前回罪滅滅し編をプレイした時は、サウンドノベルでここまでアクションとスピード感を表現出来るものなのかと感動しました。例えるならば、ディズニーランドのアトラクションとか、ハリウッド映画みたいな娯楽性を味わえる「文章のエンターテイメント」と言えます。


それに対して今回の皆殺し編は解答編の総まとめ的な感じなので、竜騎士07氏が言っている様に「劇中世界の事実だけが駆け抜けてい」く、淡々とした内容です。しかもその事実を圭一が「地味」に「着実に」解決していきます。しかしその地味で着実な展開が圧巻なのです。一歩一歩着実に問題を解決していく描写を読む時には、物語というパズルのピースが一個また一個はまっていく「カチリ」という音が聞こえる様でした。


罪滅し編は「文章のエンターテイメント」だったとしたら、今回皆殺し編は「文章の邦画」だと言えます。ここでいう邦画は伊丹十三作品とか「集団左遷」(1994年)とかをイメージしています。邦画の魅力は「主人公が絶望的な状況に追い詰められて、最後の最後に『ちょっとだけ』勝つ」ところだと思っています。ハリウッド映画みたいなヒーローの大逆転ではなく、小市民が些細だけれども確かに勝ち取ったみたいな物語です。また音楽の効果も大きく、役所との対峙のシーンの音楽(r_of_can)なんか「マルサの女2」っぽくて効果抜群だったと思います。


またゲーム性とは別に今回の皆殺し編では、積み上げられた事実が解決していく様と過去6作品の記憶(謎に関する考察等だけでなく、「ひぐらしのなく頃に」という作品に関する全ての記憶)とが絡み合って、大団円が近づいている事を感じさせられ、涙ぐんでしまいました。これがリアルタイムで味わう事でしか得られない「ライブ感」ですね。


そして、ここまできて最大の「謎かけ」がプレイヤーに課される展開になるとは、恐るべきは竜騎士07氏です。誰ですか、皆殺し編で謎の大半は解決すると言っていたのは!?
解答?は祭囃し編まで待たなければなりませんが、この「謎かけ」はプレイヤー自身で何が最善なのか考える行為自体に意味があると感じました。


ひぐらしのなく頃に」は歴史に残るゲームです。この様に表現するのは決して大げさではないと「皆殺し編」で確信しました。
竜騎士07さん、どこまでもついて行きます!(迷惑だってば・・・)