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乙女ロード

池袋サンシャイン前の女性向け同人・アニメショップが集中する、通称「乙女ロード」を実地調査してきました。
SPAや文春など、最近週刊誌にも取り上げられているのですが、記事内容が実地検証をしていないような気がするため、まずは自分の目で見てみようと考えての事です。

見てきたのは以下の通りです。

まんがの森(BL系商業誌)
アニメイト(新刊同人・商業誌、グッズ類)
らしんばん1F(中古同人・商業誌、中古グッズ類)
・CharacterQueen(新刊同人誌、BL系CD・DVD・ゲーム)
まんだらけ(中古同人・商業誌、新刊同人誌)
・コミックKingsKing(新刊同人誌)
K-BOOKSコミック館2・3F(中古同人・商業誌)
ボークス池袋ショールーム(ドール、フィギュア等)・・・ここは寄り道
・KAC(中古・新刊同人誌、スクリーントーン
とらのあな1F(新刊同人誌)

ゲーマーズ新宿書店、太正浪漫堂など男性メインの場所も今回パス。ジュンク堂B1Fも時間・天候の都合でパスしました。

最近アキバの男性向け同人ショップで女性を見かける事も珍しくなくなったので、逆に男性も多少はいるのではないかと思いましたが、4時間調査して男性は3人(まんがの森アニメイトとらのあな除く)しか見ませんでした。いかに男性にとって敷居が高いかを痛感しました。

気がついたポイントは3点です。


①客年齢が若い
明らかに中学・高校生位の女の子2人組などが鋼・種の同人誌を漁っていました。日曜午前中のため何かのついでとは考えにくく、明確に乙女ロードが目的なのだと思います。もっと年齢層が高いのではと思っていましたが、むしろ想像以上に若い子ばかりでした。


②店員は女性
当たり前と言われそうですが、そうでしょうか?確かに男性向け同人ショップのレジに女性はなかなかいません。しかし一方でメロンブックス秋葉原店のように確信犯的に(だと思います)女性店員が多い所もあります。イケメンコスプレ店員など、まんだらけではできそうな気がするのですが、少なくても11日にはどの店(まんがの森除く)でも男性店員は見ませんでした。


カップリング情報を明示
これも当たり前と言われそうですが、男性向け同人誌との大きな違いなので、一応取り上げます。女性がもっとも気にするのがカップリングです。この攻×受の順番が逆でも、全く違うジャンルだと言って良いと思います。「カップリングを確認するために中を見たい人は店員まで」というポスターがまんだらけでは貼ってありました。ちなみに、まんだらけではこれ以外に過激度なんかも5段階評価で記載されていました。どうやって判断するのだろう?




一方で男性向け同人ショップと比べて、何で?と思う所が4点ありました。


①内容紹介コピーが徹底されていない
アキバでは常識といえますが、見本誌の裏に貼り付けてある内容コピーが、意外と徹底されていません。コストを考えての事だと思います。
つまりアイテム数が多い割に、1アイテム当たりの冊数がでない事を示しているのと思います。


②同人ソフトが少ない
ほとんど見ませんでした。男性向けでは「月姫」以降同人ソフトがブームを作る傾向にありますが女性向けでは、今の所その傾向はないようです。逆に言うと「すき間」があると言えるかもしれません。商業BLゲームはいっぱい有るのだから。


③ドラマCDがやたら多い
昔からBL系はドラマCDが多いのは周知の事ですが、これも改めて考えると不思議です。男性向けならドラマCDは珍しい部類だと思います。「男性は視覚の刺激が重要」なためドラマCDは流行らないと良く言われます。しかしセルDVDがなかった時代、やはり男性向けアニメのドラマCD
は決して珍しいものではありませんでした。
つまりセルDVD市場が確立していない、またはそこまでの市場規模がない事の表れではないかと思います。


④新刊平台の活気がない
これが一番気になりました。男性向け同人ショップは新刊平台に客が集中しているのが普通だと思います。しかし女性向けでは新刊平台ではなく、あくまでもジャンル・カップリングの棚に人が集まっている様でした。
つまり新しくてもジャンルやカップリングが違えば全く興味がないと言えます。


「萌えブーム」の次は「乙女ブーム」だと言う人をちらほら見かけ始めました。確かに男性向け「萌え」市場に比べて女性向け「乙女」市場は未開拓の部分もあり、経済面だけ見ると拡大の余地があるかもしれません。しかし今回の実地調査をしてみた感想としては、細分化していている上に、カップリングなど単純に数字では計れない要素が多いため難しいのではないかと感じました。


少なくても、キャバクラ経営者がちょっと流行のメイドバーを作ってみたら成功した、みたいな事は「乙女」市場ではありえないと思います。


やはり「女ごころ」は複雑、と言う事でしょう。