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「涼宮ハルヒ」ジャンルについて思うこと(この文章は結論はありません。ご注意下さい)

いよいよ、来週はサンシャインクリエイションです。

前回のサンクリにも若干コピー誌があったとの噂の涼宮ハルヒ関連同人誌ですが、6/11のコミコミでは、かなりの新刊がでた模様です。



http://www.exfiction.net/~haruhi/mt/comicomi.html(「涼宮ハルヒの憂鬱 ポータル SOS団ニュース」様)



コミコミは関西で行けないし、サンクリまで待てないと思う人は以下の本が「とらのあな」に委託されています。但し古いものはすでに在庫切れですが・・・



月次 商品名 サークル名 18禁 特記
2004/10 悠々自適 名作ネットワーク ・・・。
2004/10 長門有希夢現 芋ノ庵 ※18禁
2005/03 長門有希夢現 [リメイク版] 芋ノ庵 ※18禁
2005/04 長門有希の変貌 芋ノ庵
2005/06 長門有希の哀恋 芋ノ庵 ※18禁
2005/08 長門有希の夢想 芋ノ庵 ※18禁
2005/12 長門有希の復元 芋ノ庵 ※18禁
2005/12 長門有希の恋心 芋ノ庵 ※18禁
2005/12 涼宮ハルヒの淫謀 はっちゃけ荘 ※18禁
2005/12 veryberry Strawberry 方解石。 ※18禁
2006/04 涼宮ハルヒの性癖 たかねの花園 ※18禁
2006/05 みぐルイ 雷神会 ※18禁
2006/05 涼宮ハルヒの反転 ぷりんせす☆ぷろじぇくと。 ※18禁
2006/05 ハルヒの旋風 ねこま屋。 とら専売から
2006/05 Hot Rodder AliceMirror ※18禁 ぷにケット
2006/06 ハルヒの旋風 ねこま屋。 コミコミ
2006/06 BANANA MIKL 方解石。 ※18禁 コミコミ
2006/06 ANGELIC イランイラン ※18禁 コミコミ
2006/06 プライベートレッスン ぷりんせす☆ぷろじぇくと。 ※18禁 コミコミ
2006/06 ハルヒの旋風Ⅱ ねこま屋。 コミコミ

また「とらのあな」以外にも「メロンブックス」にも専売として扱われているものがあるみたいです。

月次 商品名 サークル名 18禁 特記
2006/05 涼宮ハルヒの命令 Petite*Cerisier ※18禁 メロン専売



とらのあなメッセサンオーメロンブックス

購入したハルヒ同人誌。増える一方・・・。



委託同人誌だけが同人全てではない事は重々承知していますが、「とらのあな」の取り扱いアイテムを見る限り「涼宮ハルヒ」を支えてきたのは「芋ノ庵」さんみたいです。残念ながらHPはない(消滅?)みたいです。アニメ化よりかなり以前から同人活動を行ってきているだけに、今回のアニメに会わせた新刊を是非とも出して欲しい所です。



同人誌の数もいよいよ増えてきて一大ジャンルを築きそうな予感の「涼宮ハルヒ」ですが、ジャンル化しないという指摘も過去にされています。



http://eternalsisters.web.fc2.com/diary/diarylog_060415-060421.html#200604-21(「Angel
Heart Club」様、4/21の日記)



つまり同人として「弄りにくい作品」なため、ジャンル化できないという事です。



さて、過去にもなかなかジャンル化しなかった作品があります。「School Rumble」です。

以下は「とらのあな」のアイテム登録数の推移です。

月次 スクラン同人誌 特記事項
2003/12 1
2004/01 2
2004/02 1
2004/03 1
2004/04 3
2004/05 1
2004/06 3
2004/07 1
2004/08 14
2004/09 6
2004/10 8
2004/11 6
2004/12 46
2005/01 4
2005/02 4
2005/03 19
2005/04 15
2005/05 14 オンリー開催
2005/06 4
2005/07 5
2005/08 26
2005/09 0
2005/10 3
2005/12 9

「School Rumble」自体は2003年始めに連載が開始されています。そのため2003年の冬コミではそれなりの本があっても良いはずですが、その時点ではほぼ皆無の状態です。

この頃のスクラン本のラインナップは以下になります。「涼宮ハルヒ」ジャンルが「芋ノ庵」さんが支えたのと同様に、「スクラン」は「有葉と愉快な仲間たち」さんが支えたと言えます。



http://home.att.ne.jp/omega/akabeisoft/(「有葉と愉快な仲間たち」さん。「AKABEi SOFT」もほぼ同組織。)

月次 商品名 サークル名 18禁
2003/12 スクールちゃんぷるー 3 かこひめのうつわ ※18禁
2004/01 八雲本 有葉と愉快な仲間たち ※18禁
2004/01 HEAVENS ARE FILLED AKABEi SOFT ※18禁
2004/02 愛の理性 有葉と愉快な仲間たち ※18禁
2004/03 ハリテン 有葉と愉快な仲間たち ※18禁
2004/04 前夜祭 有葉と愉快な仲間たち ※18禁
2004/04 かれんのひみつ。 有葉と愉快な仲間たち ※18禁
2004/04 スクールちゃんぷるー 4 かこひめのうつわ ※18禁
2004/05 花園 有葉と愉快な仲間たち ※18禁
2004/06 八雲狂い 有限産業すきま風 ※18禁
2004/06 スレイブランブル 1 アキヤマ興業 ※18禁
2004/06 愛の理性 2 AKABEi SOFT ※18禁
2004/07 スレイブランブル 1(改訂版) アキヤマ興業 ※18禁

ちなみにこの時期のスクラン本はアイテム数こそわずかでしたが、とらのあなの売上に占める割合は馬鹿にならない規模だったと考えられます。

虎通2004年12月号に掲載されて10月期の同人誌売上順位を見てみるとスクランは8位でした。男性向けでこれより上にはFateマリみていちご100%・ROでした。しかし一方でスクラン取り扱い数はランキング圏外(20位以下)でした。つまり以下の状態のいずれかだったと言えます。

  1. 1アイテム当たりの需要が他のジャンルより大きかった(供給不足)
  2. とてつもなく売れる単品がジャンル全体を引っ張った(大手依存)

正直感覚でしか言えませんが、当時を思い出すとスクラン本の売り場は、「有葉と愉快な仲間たち」さんの独壇場だったと思います。つまり2の大手依存だったと言えます。2004年12月にはスクランジャンル同人ソフト「SCHOOL×SCHOOL」を送り出しました。恐るべき活動スピードです。

http://home.att.ne.jp/omega/akabeisoft/books/index-d-game.html(「SCHOOL×SCHOOL」特設サイト)



有葉と愉快な仲間たち」さんは現在同人活動と平行して、18禁ゲームメーカーとしても活動しており、近々PS2ソフトとして移植も控えています。



http://www.akabeesoft2.com/(「AKABEi SOFT2」公式)

http://www.yetigame.jp/tamayura/tamayura.htmlPS2魂響 〜御霊送りの詩〜」公式)



雑誌のインタビュー記事を見ると、以前から商業化・会社化を目標に活動をしてきたとの事です。すばらしい行動力だと思います。考えるだけなら誰でもできますが、この事をこのスピードで実行できる人はそうはいません。

そう考えると「School Rumble」は競合者がいない、独壇場を形成できる場に見えたのだと思います。今風にいうと「ブルー・オーシャン」だったのです。



2004年末には原作の盛り上がりやアニメ化決定などがあり、スクランはジャンル形成を始めました。しかしもっとも決定的だったのは、2005年5月4日の「オンリーイベント開催」ではないかと思います。



http://www.sweet-scramble.com/ss1/スクールランブルオンリーイベント「SWEET SCRAMBLE」公式)

4月のレボと6月のサンクリの間のゴールデンウィークに開催する事で、スクランジャンルの安定化と拡大を目論んだと言えます。タイミングとしてはバッチリだったのですが、この時期にはすでに東鳩2旋風が吹き荒れており、残念ながら埋没してしまったといえます。



長々との「School Rumble」ジャンルの考察をしてしましました。「涼宮ハルヒ」と関係ないじゃないかと言われそうですが、まああまり関係ないかもしれません。

最初に「涼宮ハルヒ」の同人ジャンル化は作品として弄りにくいため難しいという話を紹介しました。確かにその通りだと思います。ハルヒ自身の強烈な個性の為、同人的な想像力=妄想力が働かないのです。アニメだけならば。



アニメ化前の「とらのあな」に委託されていたハルヒ本は「芋ノ庵」さんだけですが、全て長門本です。個人的な好みなのかもしれませんが、この作品は読み進めるほど長門萌えになると思うのですが。個人的にはですよ!

アニメ化出てきた同人誌はアニメの内容が中心で、今読んでいる最中といった感じでした。つまりサークル側にも作品に対する愛を熟成する時間的余裕がなかったのではないかと感じられました。



「Fete」や「マリみて」がジャンルを形成するまでには、準備期間がありました。Feteは月姫以来の「型月」ジャンルですし、「マリみて」は2003年のオンリーイベントラッシュの前から口コミで有る程度評判を形成していました。



一方で今回の「涼宮ハルヒ」も含めて最近の同人ジャンル形成手法は以下の通りだと考えられます。

  1. オンリー即売会をタイミング良く開催する
  2. オンリー即売会が成功すれば次回開催が可能となる
  3. 新刊を安定供給する事で「とらのあな」など委託同人ショップでの恒常的な売り場を形成する
  4. ショップでの売り場形成によって「流行」を演出できる
  5. 流行を演出する事でジャンルが形成

ひぐらしのなく頃に」「アイドルマスター」なんかはこの手法の通りです。「東方」は元々は違いましたが、最近はジャンル形成を色濃く志向しています。

つまりジャンルを形成するとは短期間の「人為的」な作業だと言えます。あまり耳障りの良い話ではないのですが、仕方がありません。

ジャンル化できるかどうかは、作品の質だけではありません。如何に消費者に素早くアピールする事ができるか、この点も重要になってきていると考えられます。



うまくジャンルを形成するポイントは「タイミング良くオンリーイベントを開催する」事です。4月に開始して、ネットを中心に強力なステルスマーケティングかけて初速需要の回収を目指した13週アニメで、6月末でプレ夏コミ体制に入るこの時期、果たしていつが「タイミング良い」のでしょうか?

左から

「こないと死刑だから」

「北高祭」

「涼宮ハルヒの祭典」

これ以外に

「禁則事項ですキョン君(はあと)」

があります

最速で「禁則事項ですキョン君(はあと)」は7月2日!!早い。というかそこまでしてオンリーイベントをやらなければいけないのか!?しかも秋葉原通運会館?どこそれ。「こないと死刑だから」は16日。終了13:30。速攻コピー誌売り切れて終了を想定しているのか。それともGAICONみたいに超まったりムードを想定しているのか?



ともあれ、こうなってくると何の為のオンリー即売会だったのだろうかと考えさせられます。

なんの為にジャンルを形成する必要があるのか。何でわざわざオンリーイベントなんて言う小規模なものが存在したのか。考えさせられます。





ちなみに本を売る事を最優先に考えるのならば、ジャンル形成だけでなく前述「有葉と愉快な仲間たち」さんみたいな、一人勝ちを目指すのも一つの方法論ですね。