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事前情報だけで、そのアニメがどれ位ヒットするかを予想できるか、という命題を頂きまして・・・

追記(すいません。今回のエントリは完全に私信です。)

<事前情報から予測はできるか?>

まず結論から言うと「できない」ですね(笑)>大日本技研さん
近年ヒットした作品と言えば「ハルヒ」やら「らき☆すた」なんかが予測可能だったかと言うと無理だったと言えます。
らき☆すた」は京アニ作品だからヒットすると思っていた人もいるかもしれませんが、その考え方だけで進めていると過去有った「マッドハウス最強伝説」「GONZOの作画クオリティ」などの崩壊に巻き込まれている可能性が高いと思います。


つまり、ヒットする作品を探すと「大失敗」リスクが伴う事になります。


未来予測する方法として、過去事例を数値化してデータベースとして、類似傾向を探し出す方法が考えられます。ここでは「POS的思考」と呼びたいと思います。POSとは「販売時点情報管理」の事で、レジと連動して販売情報をデータベース化する事を言います。
POS的思考とは過去の莫大なデータベースを利用して今後の予測を行うものを示します。しかしこの方法で未来予測を行う事は出来ません(あえて言い切ります)。


突然変異的なヒットは予想できないからです。そして最近ヒットしているコンテンツは突然変異的なヒットばかりだからです。「ハルヒ」「らき☆すた」なんかは「ネットで火がついて・・・」なんていう定型文で説明可能ですが、過去の「ガンダムSEED」も「予想外」の女性人気で大ヒットしたし、「鋼の錬金術師」なんかアニメ化前は凡百の作品の一つ(少なくてもグロスではその域)だったと言えます。


ではPOS的思考とは全く意味がないかと言うと、そんな事はありません。大抵のPOSに関する説明にも書いてありますが、POSの本来の目的は「在庫管理」であり、「死に筋排除」だと言えます。つまりPOS的思考は「こんな作品は売れない」という思考で利用すべきだと言えます。

<予測方法>

まずは何を持って作品の成功と判断するか?
今回はDVD販売本数が多い程成功と考えます。DVD販売以外にも視聴率や印象度、グッズ全体の売上など考え方は色々ですが、今回はDVD販売本数とします。そこでサンプルとして「コードギアス」「なのは」「グレンラガン」「おおきく振りかぶって」の2巻販売本数で考えてみましょう。1巻だと予測が外れて、品切れとか起こしているかもしれないからです。ちなみに下記資料では端数は四捨五入して逝きます。どうせ予測だから細かい数字に意味はないですし。


まずは、販売本数はどんな要素で決まるかを最小単位で示すと「作品の魅力」×「欲しいと思っている人数」となります。つまり「品質」×「量」です。そこでそれぞれ分解して考えてみます。


「欲しいと思っている人数」は「見る事ができる人数」×「何らかの視聴率」です。今回のテーマは未来予測なので「何らかの視聴率」は一旦排除します。つまり「見る事ができる人数」だけで予測します。これなら有る程度事前情報で分かります。


これで予測は「品質」に絞られます。
「品質」はどんな要素で決まるかと考えた時、次の3つとしてみました。
・「企画」
・「前評判」
・「プロモーション」


「企画」はどの程度事前にファンがいて、その作品が誰に求められているか予測するもので、「潜在需要」予測だと言えます。
「前評判」はスタッフや声優の人気などで判断します。良いスタッフ・声優は良い仕事をする事と、ネームバリューから有る程度大きい制作費が投下されている事を予測できるからで「制作費」を予測するものです。
「プロモーション」は放映後どれだけ口コミが発生するかを考えるものです。これは製作委員会を構成する各企業が独自に進める事が多いので、その構成メンバーに有る程度依存する要素だと言えます。


さてまずは国勢調査の県別人口に基づいた表に聴取可能エリアを加えて、各作品の視聴可能人数を算出します。コードギアスは9月上旬までに視聴可能だったエリアまで加えています。またBS・CSは無視しています。この後の計算を行う際にそれほど影響がないと判断したからです。
:W500


一万人単位で表記した算出結果は以下です。そしてこれでDVD販売本数を割ります。この結果は1万人当たりの販売本数です。この数字が高いほど品質が高かったと判断します。



さて肝心の品質ですが、以下の形で判断しました。



この品質判断は個々の数字よりも、作品間のバランスが重要です。そしてDVD販売本数から出した1万人当たりの販売本数を正解と考えます。そうすると、各値を増減して帳尻を合わせる必要が出てきます。この時何処が一番弱いかと考える事になります。つまりこの品質判断は「弱点判断」を目的としています。


例えば「おお振り」の場合、原作はアニメ放映前に1巻当たり30万部強発行していました。灼眼のシャナの1巻当たりの同じくらいだといえるので単純に考えてDVDもシャナ並に売れて欲しい所ですが、現実はそうではありません。またスタッフも手堅い布陣だと個人的に思うのですが、これも点数比重を高くする事が出来ません。


アニメ版「おお振り」のメインターゲットは女性だと考えられます。しかし掲載雑誌アフタヌーンは男性の方が読者が多い雑誌です。つまり1巻当たり30万部ですが、女性はそのうちの半分15万くらいで考えないといけないのです。
またスタッフの力を過小評価しなくてはならないのは、裏を返せば「女性向け」として、今回のスタッフ構成は訴求力が弱かったのかもしれません。主演声優もフレッシュさを前面にだしている為、まだ大きな影響力を発揮には至っていないと言えます。昔のアニメ版ハチクロなんて結構ベタな声優布陣だったし。


つまり「おお振り」の採点を行うと「女性に向けたアピールが弱かった」という仮説が浮かび上がってきます。この様な弱点パターンを蓄積して「死に筋」(「おお振り」が死に筋って言うわけではないですから誤解のない様に)を排除する事ができると言えます。

<結論というか、ギブアッ・・・>

再度言いますが、この方法はどれ位ヒットするかは予測できません。便宜上90点満点いしていますが、ヒットすれば幾らでも上に行くからです。
また過去にない事例でヒットする事も予測不能です。つまり「大ヒットしない」と思う作品の間で強弱をつける為の手法だと考えています。つまり、ここまで書いてきましたが「実用に耐えうる」ものではないと言えます。


結局予測できている訳ではないのですが、今の所、この方法くらいしか浮かばないです。>大日本技研さん